中古マンション売却現場で起こっている変化

あなたの周りに起こっていること。
それも中古マンション売却の現場で起こっていることとは...

今、実は中古マンションが売れなくなっていると言うことです。

2017年度から2018年度へと年が変わるとともに、中古マンション売却の現場でも大きな変化が静かに、しかし確実に起こっています。

その変化が冬から春への変化のように肌でわかり、目で知ることができる変化なら良いのですが、現実はそうではないところが厄介なんです。

今までの中古マンション売却市況の活況が、嘘のように悪くなっていて、期待するような売却価格で成約しなくなってきているのです。

中古マンションが売れなくなり始めると、売主は頭を抱えそうですが、しかし、頭を抱えるのは売主だけではなく不動産業者も同様なのです。

しかし、その両者、売主と不動産業者には、頭を抱える質に大きな違いが有ります。

その大きな違いは「両者にある隔たりにある!」とも言えるかもしれません。

ここでは、今、起こっている中古マンション売却時の売主と不動産業者の立場の違いを解説し、その解決策を説明していきます。

売主は、単純に1年前なら有ったはずの売却益が少なくなったり、借金としての住宅ローンが返せなくなったり、考えていた未来の変更を余儀なくされたり、その内情は大きな負債を抱えることなどの目に見える負担かもしれません。

いわゆる、将来生活設計の大幅な変更や、もしかすると生死にかかわることになるかもしれないということです。

しかし、ほぼ全部の不動産業者は仲介事業としての売り上げが落ちる可能性を心配はしていますが、売却が成功しなくても、それほそれとして捉え、借金としての住宅ローンが返せなくなる場合の売却には「ニンバイ=任意売却」が用意されていて、売却で負担が残ることは不動産業者もその担当者も自分には関係ないと思っています。

「えっ・・・・?」っと思われるかもしれませんが、これが現実です。

売主にとっての重要なこととは、売れないときにこそ、次なる一手を打つことができる不動産業者に売却仲介を任せたいという事でしょう。

しかも、それはブランド力のある、しかもテレビCMもやっている知名度のある、大手不動産会社に頼りたいことになるのでしょう。

だからこそ、売主は、売れなくなってきたことの解決法と、次の一手を期待し、大手不動産業者に売却仲介を任せるのでしょうから。

しかし、どの不動産業者もそんな売主の都合など微塵も思っていません。

売主は、大手不動産業に、数ある売却経験と実績による売る方法が有り、社員同士売る方法もデータも共有保有しているかもしれない、否、しているに違いない、そのことを自分の物件の売却に生かしてくれるに違いないと思うから、売却仲介を任せるのでしょう。

しかし、不動産業者は、その次の一手は、成約できる金額まで価格を下げることをまず真っ先に考え、提案することしか考えていないという事です。

売主の期待する次の一手と、不動産業者の持つ次の一手とは大きな違いが有るという事なのです。

また、不動産市場の悪化が決定的となったとき、大手不動産業者が考えていることは、売り上げが落ち込んできたから従業員のリストラをしなければと考え始めます。

事実、業界は違えど大手銀行が次々とリストラを発表しています。

そうです。売り上げより利益の確保を最大優先事項とするという事です。

そのために、大手不動産業になればなるほど、営業マン同士の意思疎通は図られず、自分がリストラになった場合を考え、新規に自分が設立する会社や、転籍する先の会社へ土産としてしっかりノウハウを保全しているのです。

大手不動産業者に、売却経験と実績による売る方法が有り、社員同士売る方法もデータも共有保有しているという事実はなく、それは全くの幻想でしかないという事を理解しなければいけません。

また、多くの大手不動産業者はマンションデベロッパーである親会社の傘下にあります。
大手不動産仲介会社の役員以上は、その親会社出身者で占められているため、親会社に抗えません。
そのため、先に売るべきは塩付け回避のため新築マンション優先となる確率が高いのです。

従って、売主の期待する次の一手は全く無く、売却価格の変更を打診されるだけとなり、成約はせず期待外れとなり、売れ残ったままとなります。

売主にとっての痛みと、不動産業者の痛みは全く違うという事なのです。

現在、売れないことを問題とし、そのことを解決するべき方法を導入している業者は、コーラルと一部の不動産業者以外は皆無と言っていいという事です。

まさか、あなたは、私だけは大丈夫と、関係ないと目を他所へ向けて現実を見なくしたりしていませんか?
私は、経済評論家でもありません。
大学も2流大学の経済学部出身です。しかしそんな私でも今何が起こっているのか、また何が起ころうとしているのかくらいはわかります。

だから、所有する不動産は、これから先、まったく売るつもりのない住宅ローンのない住まいは除き去年までに売ってしまいました。

では、これから起ころうとしていることとは、現実逃避できないこととは、どんなことでしょう。

誰もが東京オリンピック開催の2020年までは大丈夫だと思っていたことでしょう。
中古マンションは、あと2年、高く売れると思っておられたに違いありません。
新築マンション販売業者も威勢の良いこと言っているのだから、大丈夫と。

しかし、その期待もむなしく2018年の今、あの『失われた20年』をも凌ぐかもしれない状況が、あの暗い悪夢が再びかま首をもたげつつあります。
あの約20年のあいだの中古マンション市場が経験してきた経済危機のすべてが亡霊のように舞い戻り、日本中を再び揺るがそうとしているのです!

しかし、政府も日銀もそれに抗う政策を出すことが出来ないどころか、来年には先延ばしにされていた消費税増税まで行われようとしています。

あの失われた20年もの間、私たちマンション所有者は何度も辛酸をなめてきました。
日経平均株価は1989年末に最高値(3万8915円87銭)をつけて以降、20年間低迷を続け、地価(六大都市平均)はピーク時の4分の1以下に下落しました。
この「失われた20年」で株式時価総額が400兆円弱、不動産は1100兆円以上毀損したと試算されているのです。
また、この間には私たちの雇用も大変革し、就職氷河期やフリーターということばに象徴されるように若年雇用の喪失や非正規雇用労働者の増加が続きました。

私も、職をいったん奪われ、自動車業界の期間工として愛知県で働いたのもこの時です。

その悪影響は今も改善されているとは言えない状況なのです。

しかも、これからが人口減少・高齢化の進展、空き家問題、年金額減少という経済・社会構造の大きな変化は本番なのです。

失われた20年間で投資価値は根こそぎにされ、財産や金融の安全性、何百万人もの夢の年金生活が吹き飛んできたのです。

そして今、そうした経済の悪夢が再びかま首をもたげつつあるのです。
いや、状況は前よりも悪い。

日銀のマイナス金利政策によりかろうじて維持していた日本経済ももう崖っぷちな状況と各専門家は言っています。
アベノミクスを担う日銀の異次元緩和が始まって4年半が経ちますが、「2%物価目標」は実現しないまま、さまざまな「副作用」が目立ち始めたのです。

今、日本は、前例が全くないほどの危機すべてが、猛烈な勢いで迫っているのです。

しかし、政府も国会もその対策は何も打てないまま、意味もなく忖度国会を行っているのです。

この前例のない危機は数カ月後には私たちの淡い思いを打ち砕き、1990年代初頭のバブル崩壊以来では最悪の、否、それをもはるかに凌駕するほどの破壊力を持ち、私たちを襲おうとしているのです。

私は、あの失われた20年間、初期は司法書士事務所で消費者金融からのローン借り入れ登記を、やっとのことで自動車業界の期間工から舞い戻って来てから中期以降は不動産業者としてニンバイに従事しておりましたが、この間のマンション所有者の悲惨さを、また見るかもしれないと思うと、夜も寝れないでいます。

あの悪夢は、痛ましい経済危機は、何の解決策もなくこれから先起こるのかと思うといたたまれなくなります。

だからこそ、他の不動産業者が声を大にして言えないことをここで言ってみようと思います。
中古マンションを売ろうと思っている人はどうすればいいかを。

今、未来、それもちょっと先の未来を考え、想像することでしょう。

これから先、起こるべくして起こることは、既に今、周りに見えてきているんです。

そのことを抽象すべき時に角度を変え見て、しっかり捉え、その変化を先取りして行動するしかありません。

中古マンション市場も、それが商品として捉えた場合、必ず成長カーブの法則と言うものが有ります。

成長カーブとは、商品は 導入期 → 成長期 → 成熟期 → 衰退期 という過程を経ているということ。

その成長カーブを知れば自ずと、今、何をすれば良いかがわかります。
この成長カーブの知識が無ければ、「昨年までは良かったのに、今年はもうその良かった時期ではないんだ」ってわかりません。

中古マンション市場の成長カーブ

特に、中古マンション売却市場は、その特性から一番わかりづらい商品かもしれないのです。

中古マンションは、売ろうって思った時、商品になります。
それも最も高価な商品に。

売る人「売主」は、売る商品を、先にも書きましたが、売却成果に無責任な不動産業者に売却仲介委託しなければならないのですが、

しかし、この不動産業者は成長カーブの法則を知っていても、また、今それに則り、何をどうしなければいけないかを知っているにもかかわらず、先にそのことを先延ばしにしてしまいます。

その先延ばしとは、査定額に端的に表れます。

そうです。査定額をそもそも成約しそうもない価格根付して仲介受注してしまうんです。

大手不動産業者が査定した売却価格だから、間違いないだろうと信じ、売却仲介を任せます。
しかし、成約することは有りません。

理由は、既に中古マンション売却市場として、商品の衰退期に入っているからなのです。

下記のグラフをご覧ください。
このグラフは、東日本不動産流通機構(レインズ)が発表した東京都の中古マンション販売中在庫データを、コーラルでグラフにしたものです。
この図を見ていただければ、既に東京都の中古マンション売却が成長カーブにおける成熟期→衰退期に在ると言う現状が解っていただけるのではないでしょうか。


201503-201803マンション在庫(東京都)

売主はこの成長カーブの法則を、いつ 成熟期 → 衰退期 へ変わったかをなかなか知ることはできないんです。

人生初めて売るものが、人生の中で最も高価な不動産なのですからこの変化を知るべきなのですが、しかし現実は誰もそのことを教えてくれたりはしないんです。

中古マンション売却者にとっての対局には、その購入者がいます。

平成30年3月度(平成30年4月10日発表)のデータを見ると、中古マンション購入者は、まだ旺盛な時期です。
しかし、これは、購入するには先でも良い予備層のマンション購入者の青田食いをしているに状態にあります。
その理由は、購入したくてもできない人(購入の場合に行う住宅ローンの事前審査のパスができない人)が多くなってきていることや、今、史上最低金利だから(先々金利が上昇することの回避から)買っている人がとても多くなってきていることからもわかります。

その昔、アメリカで恐慌が有りました。
1929年、ウォール街は歴史に残る株の大暴落に見舞われたのです。
その中でひと際目立つ相場師が一人いました。
その名をジョセフ・P・ケネディ。
そう皆さんもご存じである、第35代アメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディの父親です。

この方は恐慌による暴落を事前察知し、難を逃れたと言う以下のようなエピソードがあります。

ある時ジョセフ・P・ケネディは路上で少年に靴を磨いてもらっていた。
その最中、靴磨きの少年からこんな一言を掛けられました。

『おじさん!今○○の銘柄を買ったら絶対儲かるぜ!
これはココだけのナイショの話だからな!!』

これを聞いたジョセフ・P・ケネディはこう心の中でこうつぶやいたそうです。

『靴磨きの少年までもが株式相場の話をしている。しかも絶対上がると思っている。しかもこんなところで。これは正常ではない。もう後が無いということだ。』と。

ケネディは買い増し続けていたポジションの手仕舞いにすぐさまとりかかり、全く無傷で大暴落をやり過ごす事となった。。。。。

という逸話。

今はその時期。これから先、購入希望者は確実に少なくなってきてます。

アベノミクスや史上最低の住宅ローン金利によって支えられてきた中古マンション購入者も、この5年間の活況でほぼ買うに至り、その結果、買う層の減少が顕著になっているのですから。

中古マンション購入者の推移図


201503-201803マンション成約(東京都)


画像の説明

上掲のデータグラフを見て、まだまだ大丈夫って思われた方がおられるかもしれません。
その方は、誠に申し上げづらいのですが、上記で言う『靴磨きの少年』であり、不動産屋のカモにならないよう気を付けていただければと思います。

下記のグラフをご覧ください。
このグラフは、コーラルで東日本不動産流通機構(レインズ)が発表した東京都の新規で中古マンション販売開始された数をデータにしたものです。
この図を見ていただければ、毎月毎月東京都の中古マンション売却数が増える一方に在ると言う現状が解っていただけるのではないでしょうか。

201503-201803マンション新規(東京都)

商売の経験も無ければ、マーケティングの知識も無いのですから仕方ないかもなのです。
ですが、このことを、虎視眈々と不動産業者は狙っているんです。
それも大手で有ればあるほど、中古マンション売却で、あなたが言いなりになる事を狙って行動しているんです。

だから、それを回避するためにも、売主はこの成長カーブの法則を知り、これを先取りした行動をしなければいけないんです。

「来年になると今の価格では売れなくなるから、今のうちに準備して、最も高く売れる方法を持つ不動産業者に売却を任せよう」としっかり行動すべきなんです。

売れなくなった時、売主は「こんなはずじゃなかった」と言い訳をします。
しかし、成功している人は「そうか、だからここはこうしなければ」と動きを変えます。

今大きな変化を迎えていることが解っていれば、その対策も打てるものなのです。

「沈黙は金なり」と言う言葉が有りますが、しかし黙ったまま不動産業者の言いなりになっていたのでは、成功など有り得ません。
行動を起こし、果敢に変化を好む覚悟が有ってこそ、その先に在るチャンスを引き寄せ、利益を享受できるんです。

時にマンション売却の現場では想定外の出来事が起こることが有ります。
例えば、同じマンション内や近隣の競合する中古マンションの売却価格が思い切り下がって売却しているなどが考えられます。

その理由は何かあるのでしょう。気になる事しきりかもしれません。
しかし、気になってばかりで落ち込んでいても仕方ありません。
既に中古マンション市場の成長曲線は成熟期→衰退期へと変わってきているのですから。

想定外は無視するのではなく、想定外を重視し、その想定外のことをどう生かすかを考え、それを今の行動に取り入れることです。

例えば、異質なものは無いか? 普段ここに無い現象は何かないかをしっかり考えましょう。
どういうことかと言うと、その競合する他の中古マンションは、何故その価格で売っているのかをちゃんと知りましょうということ。

また周辺の中古マンションの価格は、その中古マンション価格に影響を受けていないかをちゃんと見てみましょうということです。

その価格で売る理由が必ず有るはずです。

その理由が、周りの類似の中古マンション価格から見て低過ぎるなど異質なものである場合、その価格に引っ張られないようにすべしという事です。

その場合は、その場合の対策が有りますから、ちゃんと対策をとるべきなんです。

中古マンション売却は想定外が起こりやすいの画像

想定外を無視することではなく、想定外を重視し、その対策をどうとるかで、中古マンション売却の成果は全く違うものになるのです。

中古マンション売却市場・まとめ

中古マンション売却市場は確実に悪くなっています。

その変化は過去・現在のデータからも、マーケティングとしての成長カーブ 導入期 → 成長期 → 成熟期 → 衰退期 という過程でも明らかです。

しかし、その過程で不動産業者は売主の意向とはまるでベクトルの違うものに精をだしています。

従って、売主は自己防衛策をとる必要があるという事はわかっていただけたのではないでしょうか。

では、どんな防衛策をとるのか?

中古マンション売却で成功する人は、ちゃんとちょっと先の抽象すべき時に角度を変えてみて、しっかり事情を見て、しっかり捉え、その変化を先取りして行動しています。

中古マンションの価格が下落する時は、既にすぐそこまで来ています。

あなたは、このちょっと先の現実に気付いておられますか?

イメージ図